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members’ column vol.2
text : 児玉真伍
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Recasting Club メンバーのコラムをご紹介します。
「出会い」をテーマに募集しました。

「わたしとアートの出会い」 児玉真伍

はじめに

こんにちは。Recasting Clubメンバーの児玉真伍です。私はRecasting Club(以下リキャス)の立ち上がりから参加しているのですが、豊田市に住んでいるわけではありません。わざわざ豊田市に足を運んでまでこのプロジェクトに参加するのは、やはり「アートが好き」だからだと思います。今回はそんな私のアートとの出会いについて書きたいと思います。つたない文章ですが、最後までご笑覧いただけると幸いです。

勘違い

子どもの頃から表現することは好きでした。図工、美術の授業や学芸会がとても好きで積極的に参加をしていました。しかしながら「ゆとり教育」の影響で、学芸会が廃止になったり、写生会では自分の絵が評価されなかったりと、次第に自分の表現に自身が持てなくなり、表現することに消極的になっていきました。(この点、似たような経験をされた方も結構いるのかなと思います。)
漠然と「アートに関わっていきたいなぁ」と思いながらも、ゴリゴリの運動部に所属していたため、自分は違う世界に住んでいるのだ…と割り切って過ごしていました。今思うとそれは大きな勘違いだったと思っています。

1枚のチラシ

大学2年生の頃、ふとあるチラシを手にします。「プロジェクト・スタッフ大募集!」と書かれたチラシは、あいちトリエンナーレ2013年の出展作家、Nadegata Instant Party(中崎透+山城大督+野田智子)の〈STUDIO TUBE〉という作品のスタッフ募集チラシでした。私は、「お手伝いくらいならできるかも。撮影ならカメラの勉強になるかもしれないし、芸大生と友だちになれるかも!」と参加をすることに決めました。
きっかけはどうであれ、ここに足を運んだことが私にとっての「アート」との出会いでした。

私もアート

私は「お手伝いくらい」の感覚で現場に足を運びました。当時、「アートは〈アーティストが〉絵画なり映像なりの作品を作るもの」という認識でいたので、当然参加する市民は「お手伝いさん」であると思っていました。もちろんアーティストが作品を作ることは当たり前のことで、それでアート業界は成り立っています。しかし、その時衝撃を受けたのが、「参加した市民のひとりひとりの動きも作品の一部である」ということでした。つまり、そこにいた市民は「お手伝いさん」ではなく、むしろ作品の「主役」だったのです。

みなさまもアートともに

1,2ヶ月の短い制作期間だったのですが、自分の人生においては本当に濃密で転機となりました。今回はその作品での詳細はお話しできませんが、一番に心に残ったのは「全力で何かをしようとしている人たちは美しい」と思ったことです。アートだなと。
アートも色々な種類がありますから、「高尚で、自分とは縁遠いもの」とは思わないで、たくさんの人が興味のあるアートに関わっていけるといいなと思います。リキャスも気軽にアートに出会える場所のひとつなので、良かったら遊びに来てくださいね(笑)。

UPDATE : 2020.05.15
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members’ column vol.2

児玉真伍(こだましんご)

1992年、蒲郡市出身。
Mikawa Art Center[MAC]センター長。
あいちトリエンナーレ2013をきっかけにアートにのめり込む。
MACでは、地域ごとの文化的インフラを超えて、
自分たちで面白い取り組みができないかを模索中。
趣味は農業。

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